映◆雲のむこう、約束の場所(その2)
以前紹介しましたが、
『雲のむこう、約束の場所』!!再度掲載です。
また、独善的に掘り下げてみたいと・・・(藁
『雲のむこう、
約束の場所』
CoMiX Wave FILMS
MZDV-0005
\4,935
監督・脚本・演出etc:
新海誠
キャラデザ・作画:田澤潮
美術:丹治匠・新海誠
音楽:天門
声の出演:
藤沢浩紀:吉岡秀隆
白川拓也:萩原聖人
沢渡佐由理:南里侑香
今回は、さすがに新海さん一人でというパターンではなく、チーム新海とでも呼べる面々での作成となっています。それでも、きちんとせつない感バリバリの新海ワールド炸裂です。
彼の作品は、すべてにおいて、詩的だ。
そして、この作品では、更に声優として、
吉岡秀隆さんが、起用されている。
あの独特の朴訥とした語りが、ベストフィット!!
ほんとうに感動しました。
透明感ある風景に、思春期の感情が思い起こされ、
吉岡さんの台詞に、一人暮らしの時の感情が蘇りました。
新海作品は、抒情詩です。
忘れていた。
でも忘れてはいけないあの時の感情が、そこにはあります。
せつなかった気持ちが呼び覚まされます。
参考までに、作中の台詞をご覧下さい。
ほんとは、こんな事しちゃ行けないと思うのですが、
あまりにも素晴らしく、やってしまいました。
さらにこれ!!
どうです。この台詞を、吉岡節^^;で語るんですよ。
それだけでも、見る価値あるかも。
その上、新海ワールドですから。
これは買いでしょう!
しかも、この作品、見終わって Happy END の感覚に
満たされるので、本当にお勧めです。
但し、何度か見れば判ると思いますが、、、
っつーか2度見れば判るかと思いますが、
・・・ここから先ネタバレになるので、伏字にします・・・
もう一度、この作品を見ると、冒頭のシーンにドキッとします。
あれ?なんで[ヒロキ]は一人なのだろうかと
そして、[ヒロキ]はこう語ります。
「いつも何かを失う予感があると
彼女はそう言った
当時─
まだ中学生だった僕には実感が
持てるはずもなかったけれど・・・」
と
結局、[ヒロキ]と[サユリ]は、一緒になっていない。
単に別れた道を歩んでいるのか?
ひょっとして[サユリ]は、死んでしまったのだろうか?
と。。。この辺は見る側の想像に委ねるところなんでしょうが・・・
この作品、ハッピーエンドに見せかけておいて、
実は、結局はハッピーになっていない姿を冒頭見せているんです。
前作「ほしのこえ」とは逆ですね。
「ほしのこえ」では、終わらせ方が、
ハッピーエンドではありませんが、
あの後、二人は出会えたと考える事が出来るのですから。
事実、小説版「ほしのこえ」では、ハッピーエンドになっています。
・・・ここまで・・・
とにかく、『雲の向こう、・・・略・・・』は深い作品です
せつなさの観点から言うと、この作品は、輪をかけて深いです。
単純に、思春期の郷愁に浸っているだけの拙い作品じゃないか?
という人もいます。
いますが、[ヒロキ]の台詞を借りるとすれば、
「でも 僕を囲む世界は この先 何度でも 僕を裏切り続ける」
という事です。
暗いですね。
暗いけど、感情としてすごく判ります。
切ない気持ちを内在させて、人は生きて行くんだ
的なもの。
「それが真の強さや優しさになるんだ」という、
日本が かつて持っていた文化。
・・・わびさびの世界・・・
人は切なさの上に生きている。
これは、今まで紹介した『アップルシード』や、『キャシャーン』や、もちろん新海作品の『ほしのこえ』にも内在しています。紹介してないけど、トム・クルーズの映画『ラスト・サムライ』なんか最たるものである。
それは、日本文化の象徴だった世界観なのだ。
だから、外国人であるトム・クルーズが『ラスト・サムライ』を公開した時、それを見た多くの日本人が、ヤラレタと思ったのだ。
誤解を恐れず、一言で、言い表すとすれば、"忍耐"なのであるが、ただ、耐え忍ぶだけではない。わびしさ、さびしさを理解して、初めて人は、人を思いやれ、優しく強くなれるのである。わびしさや さびしさを理解した心に 切なさは宿る。この切ない気持ちは、決して、可哀相と思う気持ちではないのである。
切ないな・・・でも仕方ないな。なのだ。
それは、乗り越えなければならない もしくは、敢えて受けなければならない
強いココロの生き様である。
興味ないコトは、どうでもいいと思うココロで支配された社会である。忍耐力の無さは言うまでもない。そうしないと勝ち組となれない世の中だから。社会構成する最小単位が"人"から、"会社・企業"に気付かない内にシフトして行っている。それが、最たる原因だ。"会社や企業"の法人にせつなさは理解できない。
日本は文化を捨て、魂を捨てた悲しき国家になりつつある。
それに、警鐘を鳴らすようなテーマを、メタファとして 持っている作品なのだ。
どの作品が?
( ̄д ̄;)あれ?
『雲のむこう、・・・』含め、あげたヤツがですが・・・
なんか、また、せつなさの話になっちゃったな。
では、趣向を変えて、『雲のむこう、・・・』は、また次回・。・
って、まだ、書くのかよ・・・
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