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2006/08/21

眞◆わびさび

どもGOKです。

ひさびさに、昨日、眞鍋嬢にTBしたわけですが、
実は、こっちの記事で、

眞鍋かをりのココだけの話 powered by ココログ:
ごほうび

眞鍋嬢が「わびさび」について触れられてたので、
「わびさび」と、+「せつなさ」について
薀蓄と持論を書いてみようかとw。


「わびさび」とは、眞鍋嬢が言うように、


|忘れてた古い日本の心

そう、日本の心、日本の美意識のひとつですね。

ひとつと申しましたが、
実は、わび と さびは、違います。

正確には、二つの日本の美意識です。

眞鍋嬢が、


|やっぱ昨今の日本の若者はさ、おいらも含め
|あんまし、わびったり さびったりすることないじゃないっすか。

と言ってますが、言い得て妙です。

わびは侘しさ、さびは寂しさと直訳できますが、
厳密には、わびは、であり、さびは、なんですね。

何言ってるか、わかりませんね。(笑;

まぁ、侘しいと、寂しいという、
今使われている言葉に関連が無いわけではありません。

(goo辞書より)
侘しい
 (1)安らぎやうるおいがなく、つらくて心細い状態だ。
   孤独でさびしい。
 (2)みすぼらしい。貧しくて人に気の毒な感じを与える。
 (3)静かでものさびしい。貧弱ではなやかさがない。

寂しい
 (1)あるはずのもの、あってほしいものが欠けていて、
   満たされない気持ちだ。物足りない。さみしい。
 (2)人恋しく物悲しい。孤独で心細い。さみしい。
 (3)人けがなくひっそりしている。心細いほど静かだ。さみしい。

なんとなく負の感情ですよね。
この負の感情を「わびさび」と言っているのかというと
そうでは、ありません。

美意識としての、侘、寂なんです。

侘は、茶道の世界で用いられた概念で、「粗末な状態に満足する精神的境地」、寂は、俳句の世界で用いられた概念で、「古いものの内側からにじみ出てくるような、外装などに関係しない美しさ」と言われています。寂は錆びにもつながるも言葉で、侘と比べると、経年劣化という「時」を感じさせるものに使われます。たとえば、石に生えた苔とか。(参考:Wiki辞典)

なので、眞鍋嬢が、わびしさ、さびしさと言わずにわびったり、さびったりという表現を使っているのは、言い得て妙だと言う事です。


で、この二つを合わせた「わびさび」という言葉。それは、

何か足りないような、何か欠けているような空間に、
ただただ、そこにあるもの、
それに精神を宿し、時を感じ、
存在の重みを、意識を、感じ取る。

これが「わびさび」の日本特有の美意識だと私は思っています。


さて、そして、「せつなさ」です。

せつない。この感情も一般には負の感情と捉えられます。

(goo辞書より)
せつない
(1)(寂しさ・悲しさ・恋しさなどで)胸がしめつけられるような気持ちだ。つらくやるせない。
(2)大切に思っている。深く心を寄せている。
(3)苦しい。肉体的に苦痛だ。
(4)せっぱ詰まった状態である。
(5)生活が苦しい。

ほとんど、負の感情ですよね。
(2)を除けば・・・

同じような言葉に、「やるせなさ」があります。
こちらは、
(goo辞書より)
やるせない
(1)思いを晴らすことができずせつない。つらく悲しい。
(2)施すべき手段がない。どうしようもない。

となります。

似てるけど、違いますよね。
やるせないには、せつない感情の(2)の感情はありません。
逆に、せつなさには、
大切に思っている。深く心を寄せている。感情が
秘められているのです。

そう、この感情が「せつなさ」の大事なポイントなんです。


そして、だから、
今まで、幾度と無く、
特に新海誠さんの作品の紹介で出してきましたけど、
「せつなさ」
この感情は、「わびさび」と並んで、
日本人として抑えておかなければいけない
美意識のひとつであると思うのです。

抗う事の出来ない事に直面した時
…たとえば、近しい者の死や別れ…
人は、さびしさ や わびしさや むなしさ に囚われる
しかし、それでも、人は生きていかねばならないのだ。

乗り越えなければならない
もしくは、敢えて受けなければならない試練

生きて行く上、少なからず人はそういう直面に遭遇する

だから、その時に、さびしさ や わびしさや むなしさを
「せつなさ」に昇華して、人は生きて行くんだ。

大事なのは、
大切に思っている。深く心を寄せている。感情なのだ。
その事実なのだ。

せつない気持ちを内在させて、人は生きていく
「それが真の強さや優しさになるんだ」という、
生き様の美学である。

せつない気持ちは、決してマイナスではない。
「真の希望は せつなさの中にある」

それが、本当のプラス思考である。
耐え忍ぶだけではない。
許容昇華し、次へ進むそのあり方。

昨今、「せつない」気持ちを失った人々が、
簡単に人を殺めてしまっているような気がしてならない。

「せつなさ」の中には、次への希望が宿っている。


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まぁ要するに、「わびさび」も「せつなさ」も 侘しさや寂しさを昇華するための 日本固有の美意識・生き様であるという事です(^^;

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コメント

いやー勉強になりました(._.)φ メモっとこ

現在の使われ方からすると微妙にニュアンスが変わっているんでしょうかね

「カワイイー!!」という言葉も元は「かわいそう」という言葉から来たという説もあるし(^・^;)

投稿: JOKER | 2006/08/21 19:05

言葉は進化・変化していくものですよね。
どうしても。
でも心は失くしたくないって…
オイラの想い…

ちなみに言語学者から言わせたら
何言ってんだって話かも知れませんが^^;

投稿: GOK | 2006/08/21 21:46

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