ア◆虐殺器官
「虐殺器官」 観てきました。
公開予定は、2015年11月。。。
前売り買ってたのに、まさかの制作会社倒産・・・
2015年 連続公開のはずが、
PROJECT ITOH 足掛け3年で、
ついに、3部作完結です。
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2015年10月公開
「屍者の帝国」
2015年11月公開
「<harmony/>ハーモニー」
そして、伊藤計劃 デビュー作の映像化
2017年2月公開
「虐殺器官」です。
『虐殺には文法がある』
突拍子もない理論のようではあるが、
言葉が人を変化させるのは、世の常。
原作の中の言葉を借りれば
「ことばによって怒る人、ことばによって泣き出す人、
ことばが人間の感情を、行動を左右し、ときに支配すら
してしまう…」
そしてまた、
『…耳には、まぶたがない…』
音楽が人の心を直接揺さぶる事は、
昨今、科学的に証明されてもいます。
原作では、
「音は視覚と異なり魂に直接触れてくる。
音楽は魂を強姦する。」
と、、、
スゲー過激(笑)
つまり、『音は意味をバイパスする。』 んですね。
そして、
ホロコースト、カティンの森事件、カンボジアのポル・ポト、
ルワンダの民族対立等の虐殺の歴史。
虐殺に至る過程において、人を殺すという利己的な行為を抑制する良心を抑え、その行為を正統化する文脈が、歴史を紐解くと存在するというのだ。
原作の中の言葉を要約すれば、
人は、人が増え集団が大きくなればなるほど、社会が複雑になり単純に相手を裏切り搾取するよりも、集団による協力関係の方が安定した利益を生むことが出来るという事を本能的な生存戦略として学び社会に取り込んでいく。それは民主主義の誕生である。民主主義の協力関係の中、家族を守る事、誰かを守る事は、集団に対する愛国心へと昇華し、それは一般市民が戦場へ行く動機となり得る。誰かを守る事の本質は、自己犠牲であり、即ち愛他行為や利他行為に他ならない。
『つまり戦争は愛によって戦われうる』
のであると。
生存戦略として相容れないと思われる良心と殺人衝動が、ここで奇妙に矛盾を解消してしまうのだ。
それが、そもそも人が生きる為に備えていた器官であり、それを呼び覚ますためのトリガが声として、文脈に忍ばせる事ができるという理論だ。
例えば、ホロコーストに至るヒトラーの演説やルワンダの民族対立の際のマスメディアによるヘイトスピーチなどである。
とまぁ、あくまでフィクションの中の論理を長々と書いてしまったが、本作の主題は、実は、その虐殺器官があるとかないとかという話ではない。
本作の重要なテーマは、現実世界でも問題視される
戦争が起きている世界と
平和を維持している世界が
同時に存在し、お互いに市井の人々は
相容れないという事なのだと思う。
戦争が起きている世界の子供と
平和を維持している世界の子供は
如実に違うでしょ。
という事。
そして、平和な世界の人々はテロに脅え、
「自由とセキュリティ、プライバシーと公益」
を天秤にかけ、選択を迫られ続けるのだ
つまり、本作も
現実世界との地続き感がハンパない
問題提起作品だと思う次第。
そして、その選択の結果を描いたのが、
「<harmony/>ハーモニー」
である。と私は考えてます。
ちなみに
本作「虐殺器官」見たあと、見たくなった映画は、
です。
で、食べたくなった食べ物は、『ピザ』 です^^;
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